借金を残したまま遺言書を残す場合
人はなくなる時に残された遺族に迷惑をかけないように、金銭面では特に負債がないように準備しておくことが大切です。でも万一、負債を残していくという方もおられるでしょう。その方が遺言書を書く場合、残された遺族がその後の生活に困らないように相続する方法があります。1つ目が、財産も負債も全てを引き継ぐ、単純承認という方法です。負債もなく、資産だけが残された場合や、借金を上回る資産が残された場合には、単純承認を選ぶようにしましょう。この時注意しないといけないのは、資産を上回る負債が残されていた場合です。
単純承認を選ぶと、故人の借金まで背負うことになってしまいます。それを補う形として別の方法もあります。別の相続方法として、限定承認というものがあります。限定承認とは相続財産の中から負債の支払いを行い、財産を超える借金は払う必要がないとする方法のことを指します。相続後、数か月経過しても、相続財産や負債金額が把握できないときにはこの形式を選ぶと良いでしょう。ただし、相続人が複数人いる場合は、全員で家庭裁判所へ申し出る必要があります。そして、もう一つは財産と負債の両方を全て放棄する方法です。
放棄を選ぶと、初めから相続人ではないことになり、相続に関しては一切無関係になります。複数人の相続人がいるときでも、ひとりで家庭裁判所で申し出ることができます。遺言書には大きく分けて、「普通方式遺言」と「特別方式遺言」があります。「特別方式遺言」は特別な状況下、例えば危篤時や船舶などの隔絶地で危険が迫った場合の遺言で、それ以外は「普通方式遺言」になります。ほとんどの場合が普通方式遺言です。証人は慎重に選びましょう。費用を気にしなければ、法律の専門家に依頼するのも手っ取り早い方法です。特に相続すべき財産が多い方は、後々の紛争が起こらないよう、遺言書を準備して作成するの遺族に対する心遣いかもしれません。